明治大学では、文学部のみ漢文受験が可能です。
しかし、現代文と古文のみ扱うとされている他学部でも、少数ながら漢文の出題が行われる可能性がありますので、チェックしておきましょう。
今回は、明治大学における漢文の入試傾向と対策を紹介致します。
勉強法やおすすめの参考書についても触れますので、明治大学志望者は是非参考にしてみてください。
明治大学の漢文の入試基本情報
まずは、明治大学の入試で使われる漢文について、基本的な情報を確認していきましょう。
出題範囲
明治大学の古文は、古典Bの範囲から出題されます。
漢文単体の科目名はないため、古文Bから学びましょう。
古典A・国語総合・国語表現では扱わない文法などが出てくる可能性がありますので、古典Bまで履修しておくことがおすすめです。
出題形式と解答形式
明治大学の古文は、マークシート形式と記述形式の両方で出題されます。
古文単語の書き取りや用語解説の記述が頻出なので、十分対策しておきましょう。
配点情報
現代文・古文含めて100点満点で採点されます。
3つの大問のうち1つが漢文に充てられることが多いですが、1問綾里の配点は毎年異なります。
全体で何点取れるかを意識しておくのがよいでしょう。
試験時間と時間配分
試験時間は60分です。
3つの大問のうち1つが漢文ですが、ボリュームが多い長文問題が現代文にて扱われますので、漢文に割ける時間はそう多くないと考えておきましょう。
長くても15分程度で解き終わるよう、スピード重視の演習をする必要があります。
明治大学の漢文は難しい?難易度を分野ごとに解説
明治大学の漢文は難しくありません。リード文が設けられていた年もあり、現代語訳しやすいレベルだと言えるでしょう。
しかし、基本的な暗記項目が欠けていると点に繋がりません。
重要語句や重要語法は確実に覚え、「点を落とさない対策」をしていく必要があります。
明治大学の漢文の入試傾向を学部ごとに解説
明治大学で漢文を扱うと明確に記載されているのは、文学部だけです。
他学部では「国語」科目にて現代文・古文を同時に受験し、漢文の独立問題は出題されません。
全学部統一入試
全学部統一入試では、漢文が出題されません。
入試要項に「漢文は除く」と記載されていますので、全学部統一入試での合格を目指すのであれば対策しなくても問題ないでしょう。
文学部
文学部の国語は、60分で大問3つを解きます。
明治大学のなかで唯一漢文の独立問題が出題される学部です。
例年、現代文・古文・漢文で大問1つずつ出題されていますので、漢文対策が欠かせません。
現代文における長文問題のボリュームが大きく、漢文に割ける時間はそう多くありません。
長くても15分以下で解答できるよう、ある程度スピードを重視した対策が必要です。
まずは単語や文法など、暗記すれば問題ない知識をインプットしておきましょう。
その後口語訳ができるよう対策しておけば、問題なく点が取れる程度の難易度です。
点差が開きやすい科目でもあるため、確かな基礎力を身につけるのがポイントです。
【明治大学の国語の入試傾向と対策】勉強法やおすすめの参考書も紹介
明治大学の漢文の対策ポイント
明治大学は、文学部でのみ漢文独立問題が出題されます。
ここでは、文学部の漢文に焦点を当てて対策ポイントを解説します。
スピード重視の読解力を身につける
明治大学の漢文は、スピード重視で解くことが重要です。
国語科目として同時に出題される現代文のボリュームが大きく、また記述形式の出題も多いため、現代文に時間が割かれることが予想されます。
また、古文においても使用シーンによって異なる意味のある古文単語や文法が頻出です。 現代文・古文に十分な時間を充てる必要があるでしょう。
そのため、漢文に割ける時間は15分以内で見繕うのが理想です。
スピード重視の読解力を身につけ、国語科目の点数全体を底上げできるよう対策しておきましょう。
基本的な単語・文法は漏れなく暗記する
漢文で必要な基本的な単語・文法の暗記が必要です。
明治大学の漢文はそう高い難易度ではありませんが、基礎基本が抜けていると正答できない問題ばかりです。
まずは基本に忠実に、時間を割けば確実に点数が取れる勉強をしていきましょう。
返り点記入問題への対策を入念に
明治大学では、例年かなり高い割合で返り点記入の出題が行われます。
記述形式で行われるため、自分でどこにどんな返り点が入るかを判断し、記入していく必要があるのです。
ある程度基本的な知識が身についたら、返り点対策に踏み込むのがよいでしょう。
参考書や問題集で返り点出題されていない文章であったとしても、返り点を消して1から自分で作成できるレベルにまで持っていくのがベストです。
明治大学の漢文で高得点を取るための勉強法
明治大学の漢文は、基本的な漢文単語に基づいた読解ができればそう難しくありません。
ここでは、漢文で更に高得点を取って他の受験生と差をつける勉強法を紹介します。
参考書は2~3冊までに抑える
明治大学に限らず、大学受験において漢文に勉強時間を割きすぎるのはNGです。
もちろん時間を割いて複数回全範囲の復習をした方が確実に知識の定着が図れますが、現代文・古文のボリュームが大きいことを考えると、そちらに時間を割いた方がよいでしょう。
また、日本史・世界史・英語など、他科目に割くべき時間を算出しておく必要もあります。
そのため、漢文に使う参考書は多くても2~3冊までに抑え、1冊で全範囲を網羅しているものを利用します。
「これだけやっておけば間違いない」という参考書を選択することが重要なのです。
1冊は返り点対策しやすい参考書を使う
明治大学の漢文では、返り点に関する記述問題が頻出です。
他大学と比較しても返り点出題の傾向が高いため、絶対に落としてはいけない問題として把握しましょう。
使用する参考書は少な目にするのが理想ですが、1冊は返り点対策しやすいものを選択します。
特に記述対策しやすい参考書であれば、漢文を読む基礎力を身につけやすくなるでしょう。
初見問題の解答にかかった時間を計測する
漢文を解くスピードを上げたい場合、初見の問題を解くのにかかった時間を計測しておくことが重要です。
特に、明治大学文学部の過去問を複数年度分用意し、漢文を解くときはストップウォッチを使って時間を計っておきましょう。
毎年同じくらいのボリュームで出題されるため、かかった時間を比較する際に便利です。
「時間を意識して解く」感覚を早期のうちに身につけ、60分の間でいかに早く正確に解くかの訓練をするのがポイントです。
明治大学の漢文対策におすすめの参考書5選
次に、明治大学の漢文対策におすすめの参考書を紹介します。
5冊ピックアップしますが、あまり時間を割きすぎないよう2~3冊を繰り返し何度も使用するのが効果的です。
自分が理解しやすい・使いやすい参考書を選びましょう。
学研プラス『漢文ヤマのヤマ パワーアップ版』(三羽邦美)
漢文における頻出重要句法を66個ピックアップしており、受験漢文の定番と言われる参考書です。
句法の暗記に活用しやすく、助詞・助動詞・使役動詞など幅広く解説しています。
解説が簡潔なのも魅力であり、スキマ時間を使った勉強も可能です。
旺文社『三羽邦美の漢文教室 改訂版』(三羽邦美)
基礎の基礎から学びやすく、漢文を完全独学で学ぶ人にも向いている参考書です。
他の参考書よりも解説のボリュームが多く、返り点・置き字・再読文字・句法などオールジャンルで学べます。
また、段階ごとに分けて章立てされているため徐々にレベルアップしやすく、最後に収録されている実践編を活用すれば問題演習も可能です。
Z会出版『漢文道場 入門から実戦まで』(土屋裕)
基礎編・錬成編・実践編の3部構成になっている参考書です。
基礎編では、漢文読解に必要な基礎知識や頻出漢文単語をピックアップしています。
錬成編では、基礎力と読解力を掛け合わせられるオリジナル問題が多く出題されています。
実践編では実際に出題された過去問をピックアップし、入試に対応できる力を養えます。
特に錬成編で出る文章のレベルが明治大学に合っており、返り点を消しながら自分で復習していくのがおすすめです。
解答の裏付けとなる考え方や知識の解説も行われますので、積極的に活用していきましょう。
日宋社『漢文―高校上級用 集中2週間完成』(日比野純三)
同シリーズの中でも最もハイレベルな参考書です。
歴史書・諸子百家の思想書・文学書・経書などジャンルごとにまとめて長文問題を扱っているのが特徴であり、多くの問題に触れたい人に向いています。
国立大学二次試験に出題されるレベルの記述問題にも対応しているため、これが問題なく取れれば明治大学の漢文にも十分対応できるでしょう。
基礎を振り返りたい人向けに、別冊の回答書には基礎固めに使える問題もピックアップされています。
Z会出版『最強の漢文 難関大をめざす』(仁田峠公人)
基本句法と重要古文単語の解説に加え、さまざまな角度から漢文を読み解くことを重視した参考書です。
特に主語・述語を把握する手法の解説に評判が集まっており、漢文の軸を捉えるのに役立ちます。
他にも、補語・目的語・修飾語・被修飾語など文法に関する解説も豊富なので、長文読解を支える基礎が身につくでしょう。
なかには返り点を自分でつける問題もあるため、明治大学対策におすすめです。
明治大学入試で漢文が不要な学部はどこ?
明治大学の入試で漢文を不要としている学部は、文学部以外の全てです。
具体的には、法学部・商学部・政治経済学部・理工学部・農学部・経営学部・情報コミュニケーション学部・国際日本学部・総合数理学部の8学部です。
ただし、漢文の独立問題が出題されないだけで、漢文が一切出ないとは限りません。
国語受験する人は、漢文に関する最低限の知識だけは入れておくようにしましょう。
【明治大学の現代文の入試傾向と対策】勉強法やおすすめ参考書も紹介
「漢文の独立問題は出題しません」の表記に関して
明治大学の入試要項を見ていると、「漢文の独立問題は出題しません」と表記された学部が多いことに気がつきます。
この表記がされている学部について、詳しく見て行きましょう。
漢文は出題されるのか
「漢文の独立問題は出題しません」と記載されている学部では、漢文の出題はほとんど行われません。
しかし、100%出題しないとは言い切れないため注意しましょう。
あくまでも大問1つを占める形で独立した漢文問題が出題されないだけであり、現代文・古文の領域で漢文の知識を活用する可能性があります。
例えば、現代文における長文読解問題に評論文が出題され、そのテーマが漢文学であることは大いに考えられます。
また、文学史に関連する形で漢文史が出題されるケースもありますので、完全にノータッチのまま挑むのは危険です。
とはいえ、漢文の知識を活用するような専門的な問題は出されないと考えてよいでしょう。
語句・語法を知らないと解けないような問題や、記述形式で漢文知識を問うような問題は例年出題されていませんので、特段の対策は不要です。
漢文の勉強はどうする?
「漢文の独立問題は出題しません」と記載されている学部に関しては、現代文・古文の勉強を優先するのがセオリーです。
万が一の漢文出題に対策したいのであれば、文学史における漢文史の暗記比重を増やしましょう。
『欧陽文忠公集』 『韓非子』など、漢文独立問題で出題傾向の高いオーソドックスな出典元を覚えておくだけでも大きく知識に差が出ます。
大学入学共通テスト利用入試では漢文の成績が問われる!
全学部統一入試及び学部ごとの一般入試では、文学部を除き漢文が独立問題として出題されることはありません。
しかし、大学入学共通テスト利用入試では、漢文の成績も加味されることがあります。
例えば、理工学部電気電子生命学科・機械工学科・建築学科・応用化学科・情報科学科 ・数学科・物理学科の4教科方式では、古文・漢文を含む「古典」の成績が合否判定に影響します。
また、総合数理学部でも同様に古文・漢文を含む「古典」の成績が合否判定に影響しますので、注意しておきましょう。
理系学部志望だから漢文対策はおざなりでいいと考えてしまうと、入試形態の選択肢を狭めることになりかねないのです。
【明治大学の古文の入試傾向と対策】勉強法やおすすめ参考書も紹介
まとめ
明治大学の漢文は、基本的な漢文単語や句法が習得できていれば問題なく解けるレベルです。
ただし、返り点を記述形式で解答させる問題が頻出であり、返り点なしで文章を読める力が求められます。
まずは、基礎力をつけてから思考力を養うのが効果的です。
紹介した参考書を利用しながら、少しずつ実力をつけていきましょう。